2020年5月12日
新型コロナウィルス感染は全世界に広がり、日本においても東京・大阪を中心に予断を許さない事態となっています。政府は緊急事態宣言を4月7日から5月6日までの1か月間としていたものを、再度5月末までに延長しました
新型コロナウィルスの感染拡大で、マスク、消毒液等の調達が難しくなるなど、日々脅威にさらされながらも職員一同感染予防に努めています。
かわち野福祉会は、2月25日の政府の基本方針をうけ、ボランティア喫茶の閉鎖を始め、特養の面会制限はじめ他の高齢者施設においても外出制限するなど、外部からの感染を持ち込まない対策と標準予防策の徹底を強めてきました。マスクの入荷の見通しが立たないことを見越し、2月中よりボランティアさんの協力も得て布マスクを手作りし対応しています。消毒液は品薄で在庫が底をつく前に大阪府はじめ支援者からの援助をして頂きなんとか運営しています。
通所及び訪問系介護サービスは利用者減と感染予防や職員不足等を理由に自主的に休業する事業者も出てきていますが、私たちは利用者や家族の状況などからその事業の継続の必要性を鑑み事業の継続を行っています。
しかし訪問介護サービスでは利用者家族が感染したなど濃厚接触者へのサービス提供をする場合も防護服もなく、雨がっぱ等で感染防護をしている実態があります。
又、4月にはショート利用者同居家族がPCR検査で陽性となり、その後利用者本人が陽性となり、濃厚接触者(利用者・職員)の健康観察の期間事業所閉鎖、その間PCR検査実施で濃厚接触者全員が「陰性」、健康観察期間終了後事業再開しました。しかし施設より感染者が出たということで言われなきバッシングや利用控えの影響も出ています。
先日、配食サービスの利用者様より、「(略)まるで戦前の防空壕の中の様に身を縮め震えています。そんな中で毎日毎日私達老人の為に朝早くから料理をつくり配達して回っているみなさん本当にご苦労様です。コロナに負けずに頑張って下さい。」と励ましの手紙を頂き、担当職員が励まされています。
100年前アメリカを震源として全世界に広がったスペイン風邪は、1918年第一次世界大戦が始まって4年目の出来事でした。上官の判断で兵士に無理をさせないように早めの隔離を上に訴え大きな感染爆発を防ぐことができた例もありましたが、多くの場合は戦争に勝つという目的が最優先され感染予防対策が後ろにまわり、兵士も軍規に従わなくてはならない状況にありました。政府が戦争追行のために世界への情報提供を制限し、マスコミもそれに従ったことで、対策が遅れ爆発的感染の大きな原因となったと言われています。
新型コロナウィルスの正しい理解と徹底した感染防御に努め、収束後の社会はどうあるべきなのか。これまで利益追求第一で医療や介護、社会保障をおろそかにしてきた社会を見直し、高齢者をはじめ一人一人の命と暮らしを守ること、戦争とは無縁の平和と人権を第一にする政府、国づくりが必要ではないでしょうか。
《 かわち野福祉会の理念 》
人の"ぬくもり"と"たすけあい"で、高齢者や子ども、障がいを持つ人達が大切にされる町づくりを進めましょう!
- 社会福祉法人の使命を自覚し、地域福祉の向上に努め、高齢者や子ども、障がいを持つ人達が大切にされる町づくりを進めます。
- 社会的に弱い立場の人々を支援し、困っている人の拠り所となる福祉会をめざします。
- 福祉事業と介護サービスの中で、「命の平等」の立場を貫きます。
《 社会福祉法人の使命 》
(1)公益性
社会福祉法人として、「だれでも」「いつでも」「どこでも」必要な福祉サービスが受けることができるように努力します。
(2)非営利性
社会福祉法人の非営利性とは、収益の配当禁止により確保された財源の使い道のことであり、経営努力により生み出された貴重な財源は、地域社会への利益還元を目的に、「新しい福祉事業への投資」や「非採算部門の継続」「福祉サービスの充実」などに充てます。
(3)継続性
社会福祉法人の継続性は、福祉事業の公益性を実現する上で必要不可欠な条件です。福祉や介護の分野に様々な事業主体が参入と撤退を繰り返している中で、社会福祉法人として事業の継続と安定した福祉サービスの提供に責任を負います。
(4)先駆的な福祉事業
社会福祉法人が行ってきた先駆的・開拓的な福祉事業は様々ありますが、その根本理念は地域の福祉ニーズに応えた事業やサービスを行うことです。今後も、以下の分野の先駆的事業の開拓に努めます。
①一人暮らしの高齢者や認知症高齢者などの地域生活を支援する事業やサービス、②地域福祉の向上に資する事業やサービス、③利用者の権利擁護のための事業やサービス、④一般化している福祉サービスでは補えない利用者支援の事業やサービス、⑤地域社会の安全・安心を支える事業やサービス